メイクは、わたしを整える時間

昔の私は、メイクといえば
「可愛く見せるため」「人にどう見られるか」のためのものだった。

特に一重だった私は、
“どうにかして盛らなきゃ”と必死だった。
アイプチで二重にしたり、濃いメイクを重ねたりした。

でも今は、少し感覚が変わってきた。
メイクは、「誰かに見せるため」ではなく
『自分のことを大切にできる時間』になってきている。

朝、鏡の前でアイシャドウを選ぶとき。
ビューラーでまつ毛を上げるとき。
目元にやさしく触れるたび、
「あ、今日もここにわたしがいる」って思える。

メイクがうまくいかない日もあるし、
思いどおりにいかない日もあるけれど、
それでも一重のままで手をかけてあげると、
なんだか少し心が整っていく気がする。

メイクって、ただ顔を変えるだけじゃなくて、
心の姿勢を整えてくれるものなのかもしれない。

忙しい日も、子どもに呼ばれながらのバタバタな朝も、
目元にそっと色を乗せる時間が、
私にとっては呼吸を整えるみたいなものかもしれない。

完璧に仕上げなくてもいい。
ほんの少し、まぶたと向き合えただけで
「今日の私、ちゃんと大丈夫」って思える。

メイクは魔法じゃない。
でも、私の中にちゃんと力があるって、思い出させてくれるもの。

だから私は、今日も一重のまま、
わたしを整える時間をたいせつにしたい。

でもこうやって、メイクを「わたしのための時間」と思えるようになったのは、
少しずつ他人の目ではなく「自分の心地よさ」を優先できるようになってきたからかもしれない。

前はずっと、「どう見られるか」が基準だった。
「可愛く見えるかな?」
「盛れてるかな?」
「ちゃんと二重っぽくなってるかな?」って、
いつも外側の反応を気にして、合わせて、疲れてた。

でもある時ふと、
「それって本当に、私がやりたいこと?」って思ったんだ。

それから少しずつ、
「どう見えるかより、どう感じたいか、どうありたいか」を大事にするようになっていった。

この色を使うと、自分の目元がちょっと優しく見えるな。
今日はナチュラルな感じにして、気持ちを穏やかに整えたいな。

そんな風に、自分の“内側”に合わせて選ぶメイクが心地よくなった。

メイクは見た目を変えるものかもしれないけど、
わたしにとっては「在りたい自分に戻るスイッチ」みたいなもの。

他人の目より、自分のまなざしを。
不安な日も、揺れる日も、
「今の私にちょうどいい」メイクが、ちゃんとある。

そしてその積み重ねが、
少しずつ私を、自分軸の「綺麗」に導いてくれた気がする。

だから私は、今日も鏡の前でそっと目元に触れる。
一重のまま、自分のまなざしを信じて。

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